2021.05.26
リスティング広告のインプレッションシェアとは?仕組みや計算方法、損失率の要因と改善方法
この春リスティング広告の担当となったけど、なかなかコンバージョンが得られないとお悩みの方は多いのではないでしょうか。
設定したキーワードでクリックがうまく得られていない時は、インプレッションシェアを確認してみてください。
実は、リスティング広告は検索毎に毎回広告が毎回表示されているわけではありません。
この表示機会に対して広告が表示された割合をインプレッションシェアといいますが、その意味を理解することで、改善すべき点がどこかを把握することができるので、今回はその仕組みや改善方法をまとめてみました。
■インプレッションシェア(IS)の仕組み、確認方法
インプレッションシェアとは
インプレッションシェアは、広告が表示可能だった合計回数(広告表示機会の総数)のうち、実際に広告が表示された回数が占める割合を指します。
<計算式>
インプレッション シェア = 表示回数 / 広告が表示可能だった合計回数
<例>
広告が表示可能な機会が1,000回のうち、実際に広告が表示された回数が700回の場合、インプレッションシェアは70%。
インプレッションシェアの仕組み
|全体的な仕組み
対象:その日行われた広告が表示されたすべてのオークションと広告が十分に表示可能だったすべてのオークション
算出方法:同じオークションに参加した広告主の品質などの内部データに基づき算出
*「広告が十分に表示可能」の定義としてGoogle広告では、入札単価が現在の2倍であれば広告が表示できたオークションは対象となり、入札単価を1,000%引き上げる必要があると推定されるオークションは対象外とされています。
|ショッピング広告の仕組み
基本は全体的な仕組みと同様です。しかし同じ広告主様が同時に複数のショッピング広告を掲載する可能性も考慮されています。
具体的には、 1 回のオークションで複数掲載された場合は、重複カウントが発生しないよう、その広告主様の同時に掲載された広告の中で、最も高いランクのショッピング広告に表示機会が割り当てられます。
チェックするべきインプレッションシェアの項目
|検索広告のインプレッションシェア(上部、最上部)
検索広告のインプレッションシェアは、検索結果ページにおける広告が表示可能だった合計回数のうち、検索結果ページに広告が実際に表示された回数が占める割合を指します。
検索広告の上部、最上部についても同様です。Yahooではそれぞれ「ページ上部のインプレッションシェア」「最上部のインプレッションシェア」といいます。
<計算式>
検索広告の上部インプレッション シェア = 検索結果ページ上部の表示回数 / 広告がページ上部に表示可能だった合計回数
検索広告の最上部インプレッション シェア = 検索結果ページ最上部の表示回数 / 広告がページ上部に表示可能だった合計回数
|完全一致の検索インプレッションシェア
完全一致の検索インプレッションシェアでは、インプレッションシェアがすべての検索で低いのか、あるいは部分一致検索でのみ低いのかを判断することができます。
部分一致の検索でのみインプレッションシェアが低い場合には、新しくキーワードを追加などで該当する検索でのインプレッションを高めることができます。
例
部分一致キーワード「家具」では、「家具」や関連する「テーブル」「ソファー」などの検索語句に対して広告が表示されます。
完全一致のインプレッションシェアでは「家具」という検索語句に対する広告の表示頻度を知ることができます。
<計算式>
完全一致のインプレッション シェア= 登録キーワードと完全に一致する検索語句で広告が表示された回数 / 完全一致で表示される可能性があった合計回数
|ディスプレイインプレッションシェア
ディスプレイインプレッションシェアは、ディスプレイネットワークの広告が表示可能だった合計回数のうち、実際に広告が表示された回数が占める割合です。
<計算式>
ディスプレイインプレッション シェア = ディスプレイネットワークの表示回数 / 広告がディスプレイネットワークに表示可能だった合計回数
インプレッションシェアの確認方法
|Google広告管理画面での確認方法
①広告管理画面で「表示項目」を選択し、表示項目の変更画面を開きます。
②確認したい項目にチェックをいれて「適用」ボタンをクリックしてください。
※キャンペーン、広告グループ、キーワード単位でそれぞれ見ることができますが「インプレッションシェア損失率(予算)」についてはキャンペーン単位のみとなります。
|Yahoo!検索広告での確認方法
・キャンペーン管理タブで確認
①広告管理ツールのキャンペーン管理タブで「表示」をクリックし「表示項目の編集」を選択します。
②「追加項目」欄で確認したい項目にチェックをいれて「適用」ボタンをクリックしてください。
・レポートタブで確認
広告管理ツールのレポートタブから新規レポートを作成して確認することもできます。
アカウントレポート:アカウント全体のデータ
キャンペーンレポート:キャンペーン単位のデータ
広告グループレポート:広告グループ単位のデータ
キーワードレポート:キーワード単位のデータ
※広告グループ、キーワードレポートではインプレッションシェア損失率(予算)は確認出来ません。
|Yahoo!ディスプレイ広告での確認方法
①広告管理ツールで「表示項目」をクリックし「表示項目を編集」を選択します。
②確認したい項目にチェックをいれて「適用」ボタンをクリックしてください。
■インプレッションシェア損失率(予算)とは
予算による損失:インプレッションシェア損失率(予算)
インプレッションシェア損失率(予算)とは、予算不足が原因で広告の配信が制限されてしまった割合を指します。※キャンペーン単位でのみ確認できます。
広告配信では設定した予算上限を超えることの無いよう自動的に配信が調整されています。
つまり予算が不足している状態では、「本来はもっと広告を表示する機会はあったけれども、その為の予算が足りず機会損失が起きている」ということになります。
インプレッションシェア損失率(予算)の改善方法
予算によってインプレッションシェアの損失が起こる場合にできることは、大きく分けて「予算を上げる」か「ターゲットを絞る」かの2パターンになります。
具体的には次のような方法です。
|インプレッションシェア損失率(予算)の改善方法①「予算を上げる」
現状の配信でアカウントの目標CPAを達成して無駄な配信もない場合は、広告予算を引き上げることを検討してみて下さい。
キャンペーンの日予算を上げることで、これまで機会損失で配信されていなかったユーザーにも広告を訴求することができるようになります。
※目標CPA:1つのコンバージョンを獲得するのにかけられる費用
目標CPAや広告予算の決め方についてはこちらのブログを参考にしてみて下さい。
|インプレッションシェア損失率(予算)の改善方法②「ターゲットを絞る」
これまでの運用の成果を確認し、キーワード、エリア、デバイス、スケジュールなど広告配信のターゲットを調整します。
目標CPAを達成していないキーワードや、関連性の低いクリックの多いキーワードは入札単価を抑えたり、キーワード自体を停止することも必要です。
また検索語句を確認して、関連性の低い語句は除外キーワードに登録することで、無駄なクリックを防ぐことに繋がります。
■インプレッションシェア損失率(ランク)とは
ランク(掲載順位)による損失:インプレッションシェア損失率(ランク)
インプレッションシェア損失率(ランク)とは、広告ランクが低く、競合他社とのオークションに負けてしまったため表示されなかった割合を指します。※Yahooは掲載順位で表示
広告配信では広告の表示機会がある度にオークションが行われ、ランクの高いものから順に表示されています。ランクが低いと広告の掲載順位も低下し、機会損失となります。
<広告ランクの計算式>
広告ランク=入札価格×広告の品質
インプレッションシェア損失率(ランク)の改善方法
オークションランクは入札価格や広告の品質によって決定される為、広告ランクによってインプレッションシェアの損失が起こる場合にできることは、大きく分けて「入札単価を引き上げる」か「品質を改善する」かの2パターンになります。
具体的には次のような方法です。
|インプレッションシェア損失率(予算)の改善方法①「入札単価を引き上げる」
キーワードや広告の入札単価の引き上げが可能な場合は、単価を引き上げることにより機会損失を防ぐことができます。
|インプレッションシェア損失率(予算)の改善方法②「品質を改善する」
キーワードや広告の入札単価の引き上げが難しい場合は、広告のクリエイティブを改善し品質を上げることで、機会損失の防止に繋げることができます。(ショッピング広告は商品データの品質)
クリエイティブの改善では、キーワードと広告の関連性を上げることが重要になるので、キーワードの入った広告文の作成やランディングページの改善が必要になります。
■まとめ
いかがでしたでしょうか。リスティング広告のインプレッションシェアについてまとめました。
成果のよいキャンペーンのインプレッションシェアが低ければ、より多くのユーザーに広告を配信できるよう広告予算を引き上げを検討することができます。
この様にインプレッションシェアは、広告運用を最適化していく上で1つの指標となります。
もちろんインプレッションシェアが高ければ高いほど成果が伸びるというわけではありません。キーワードや広告の成果と合わせて、考えていく必要があります。
「リスティング広告を活用して売上を上げたい」「運用している広告のCPAを改善をしたい」などの課題をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせ下さい。