2022.04.14
【Google Analytics 4】気になる機能とUAとの違い、導入時期や注意点も解説
Googleからリリースされた新バージョンのアクセス解析ツール『Google Analytics 4(GA4)』への切り替えは実施されましたか?
旧バージョンのアナリティクスではデータ取得が出来なくなってしまうので、今後もGoogle Analyticsを使用したい場合は、GA4に移行する必要があります。
ですが「導入には新たに設定が必要」「新旧バージョンで仕様が大きく異なる」といった点から、GA4への移行や対応時期を迷われている方も少なくないと思います。
今回はGoogle Analytics4の特徴や従来のアナリティクスとの違い、利用時の注意点についてご紹介します。まだGA4を導入されていない方や、設定はしたけれどイマイチ活用できていないという方は是非参考にしてください。
Google Analytics 4(GA4)とは
Google Analytics 4プロパティ「通称:GA4」は、2020年10月にリリースされた新バージョンのGoogle Analytics(GA)のことです。
2019年にアプリ内計測とWeb内計測を可能にした「アプリ+ウェブプロパティ」としてベータ版でリリースされていましたが、今回正式なリリースにあったって「GA4」の名称になりました。
GA4へのアップデートの特徴
※旧バージョンのものは「ユニバーサルアナリティクス(UA)」と呼ばれています。
GA4は従来のユニバーサルアナリティクス(UA)に代わるもので、各種指標やデータ計測方法、レポートなど様々な仕様が変更されています。
GA4で出来ること(従来のアナリティクスとの違い)
GA4で出来ること
クロスデバイス計測が可能
GA4が従来のユニバーサルアナリティクス(UA)と異なる点として、クロスデバイス計測があります。
これまではデバイスやプラットフォームごとに断片化されており、同一ユーザーがWebサイトとアプリにアクセスした場合は異なる別のユーザーであるとカウントされていました。
GA4では、Googleアカウントへのログイン情報『Googleシグナル』などを活用し、Webサイトとアプリにまたがった際にも同一ユーザーとしてカウントすることができます。
※Cookieなどデータ規制に対応する為、Cookieまたは識別子の有無にかかわらず適応するように設計されており、プライバシー重視のデータ収集が可能となっています。
ユーザー行動に最適化された「イベント」の計測
GA4では、データの計測方法も大きく変わります。
従来のユニバーサルアナリティクス(UA)では、サイト内でページが閲覧された回数(ページビュー)やページを閲覧して離脱するまでの一連の行動(セッション)などの情報を基に「直帰率」「ページ滞在時間」など様々な指標が計測されていました。
またページのスクロール率を計るにも個別に設定が必要であったり、基本的にはWebサイト内のユーザー行動を前提としている為、アプリの計測には計測用SDKを実装する必要があったりと、様々な設定に対して工数がかかっていました。
一方GA4では、データ計測の軸が「イベント」という概念に変わります。「ウェブサイトを利用した」「アプリ内で広告をクリックした」など、Webサイトやアプリ上の様々なユーザー行動を「イベント」としてまとめて計測出来るようになります。
またこれまで追加の設定が必要だった「ファイルのダウンロード」「ボタンのクリック」「動画再生」「ページのスクロール率」なども、拡張計測機能を用いて自動で計測することが可能です。
探索機能でレポートをカスタマイズし、より使いやすく高度な分析を実現
GA4では、レポートもユーザー行動に基づいた構成となっています。
<各レポートで確認できる項目例>
集客 | ユーザーを獲得した参照元、メディア、キャンペーン |
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エンゲージメント | イベント、ページ、スクリーン別のユーザー エンゲージメント |
収益化 | 購入者の人数、およびアイテム、プロモーション、クーポン別の収益 |
維持率 | 新規ユーザーとリピーター、コホート、ライフタイム バリュー別の維持率 |
ユーザー属性 | 年齢、地域、言語、性別、オンラインでの閲覧や購入行動から 判断される興味や関心に基づいてユーザーを分類 |
テクノロジー | ユーザーがコンテンツを利用する際に使用したアプリのリリースや環境 |
またGA4の特徴として「データ探索ツール」の搭載が挙げられます。探索ツールでは通常のレポートには掲載されないデータや分析手法が利用でき、よりも高度で詳細な分析が可能となります。
<探索ツールで使用できる主なテンプレート>
経路データ | どのような経緯で、ウェブサイトやアプリにアクセスしているのかを視覚化 |
---|---|
コホートデータ | 共通の属性を持つユーザーのグループの行動とパフォーマンス分析 |
セグメントの重複 | 様々なユーザー、セグメントが互いにどのように関係しているかを分析 |
目標到達プロセスデータ | ユーザーがサイトやアプリでタスクを完了するまでのステップを視覚化 |
ユーザーのライフタイム | ユーザーの行動を探索して、顧客としてのライフタイム バリューを評価 |
上記のテンプレートを使用せずに、カスタマイズしたレポートを作成することもできます。指標やグラフの種類などを自由に選択できるので、目的に応じて様々なレポートを作成してみてください。
ユーザーの行動を予測し広告配信に活用する
GA4では、Googleの機械学習を活用し今後のユーザーの行動を予測する「予測指標」が導入されました。予測可能な指標は「購入の可能性」「離脱の可能性」「予測収益」の3つです。
予測可能な指標
購入の可能性:過去 28 日間に操作を行ったユーザーによって、今後 7 日間以内に特定のコンバージョン イベントが記録される可能性
離脱の可能性:過去 7 日以内にアプリやサイトで操作を行ったユーザーが、今後 7 日以内に操作を行わない可能性
予測収益:過去 28 日間に操作を行ったユーザーが今後 28 日間に達成する全購入コンバージョンによって得られる総収益の予測
予測指標からオーディエンスリストを作成でき、さらにGoogle広告とリンクすることで広告配信にも活用出来ます。
例えば、「7 日以内に購入する可能性が高い既存顧客」オーディエンスには購入へのフォローアップとなるよな広告配信を行います。一方「離脱する可能性があるユーザー」へは、特典などを用いた再アピールや効率を重視し広告配信から除外することも検討出来ます。
「予測指標」の活用によって、ユーザーの状況に応じて広告の訴求内容を最適化できる点が利点です。
※予測指標の導入には、次の3つの条件を満たす必要があります。
・購入ユーザーおよび離脱ユーザーのポジティブサンプルとネガティブサンプルの最小数。関連する予測条件をトリガーしたリピーターが過去7日間で1,000人以上、トリガーしていないリピーターが1,000人以上必要
・モデルの品質が一定期間維持されていること
・購入の可能性と離脱の可能性の両方を対象とするには、プロパティは purchase(収集が推奨されるイベント)と in_app_purchase(自動的に収集されるイベント)の少なくともどちらか一方を送信する必要がある
GA4の利用にあたる注意点
GA4への導入時期は?
GA4の導入は、従来のユニバーサルアナリティクス(UA)と並行して計測のできる「今」がおすすめです。
UAは2023年7月1日をもって、新規のデータ取得が停止されることが発表されています。その為、今後もアナリティクスを使用してアクセス解析を行いたい場合は、GA4への移行が必須となります。
またGA4はUAのデータを引き継ぐことが出来ません。データ分析の観点からも、早めに設定しデータを溜めておく必要があります。
UAとの並行した運用
GA4はリリースされたばかりで、運用ノウハウについての情報は、UAと比べて少ない状況です。また今後も更なるアップデートが予想されます。
まずはUAと並行して運用をはじめ、徐々にGA4に慣れていくのが良いと思います。
サーチコンソールとの連携
GA4のリリース当初は、サーチコンソールとの連携が出来ない仕様でしたが、2021年12月のアップデートで連携が可能となりました。
コンバージョン計測の仕組みも変化
GA4とUAでは、コンバージョン数が大きく変わる可能性があります。
同一の目標(コンバージョン:CV)が複数回発生した場合、UAではページを閲覧して離脱するまで(セッション)に発生したCVは1回とカウントされていました。
GA4では、セッション内という概念がなくなりイベント毎に計測されるため、発生したCVの回数分カウントされます。より実数値に近い計測が可能となりました。
まとめ
Google Analytics4についてご紹介しました。より効果的な広告配信を可能とする「予想指標」など、メリットの多いGA4。まだ導入されていないという企業さまは、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
「リスティング広告を活用して売上を上げたい」「運用している広告のCPAを改善をしたい」などの課題をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせ下さい。