2025.11.20

始める前に知っておきたいリスティング広告のメリット・デメリット。成果を伸ばすための運用のコツ
「リスティング広告は本当に効果あるの?」「費用だけかかって成果が出なかったらどうしよう…」そんな不安をお持ちの中小企業経営者の方も多くいらっしゃるかと思いますが、
結論:リスティング広告は、購買意欲の高い顧客に効率的にアプローチできる「ターゲティング精度の高さ」が最大のメリットです。一方で、継続的な運用には一定の予算と運用ノウハウが必要という側面もあります。
本記事では、リスティング広告の5つのメリット・デメリットと、効果を最大化するための実践的な運用のコツを解説します。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ターゲティング精度が高く、購買意欲の高いユーザー層にリーチ | 「広告」を避けるユーザーもいる |
| 出稿直後から集客効果を実感できる「即効性」 | 競合が多いとクリック単価が高騰する |
| 費用対効果が明確に把握できる | 運用には専門知識と継続的な改善が必要 |
| 予算管理がしやすく、少額からスタート可能 | 継続的な運用には一定の予算が必要 |
| 運用しながら改善できる「柔軟性」 | クリックされても成果につながるとは限らない |
リスティング広告とは
リスティング広告(listing advertising)とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、検索結果ページの上部や下部に「広告」「スポンサー」といった表記とともに表示される広告のことです。
ユーザーが検索したキーワードに連動して表示されることから「検索連動型広告 (Search Advertising)」と呼ばれたり、ユーザーが広告をクリックしたときに費用が発生する仕組みから「PPC広告 (Pay Per Click advertising)」と呼ばれることもあります。

リスティング広告の5つのメリット
メリット1:ターゲティング精度が高く、購買意欲の高いユーザー層にリーチ
リスティング広告の最大のメリットは、商品・サービスを探している購買意欲の高いユーザー層に的確にアプローチできる高いターゲティング精度です。検索キーワードに基づいて関連度の高い広告を掲載できるため、「今すぐ購入したい」「詳しく知りたい」といったニーズが顕在化したユーザーへの訴求に効果的です。
さらに、地域・時間帯・デバイス・年齢層など細かい設定も可能で、店舗ビジネスなら商圏内のユーザーに絞る、BtoB企業なら平日の営業時間に配信する、EC通販ならスマホに配信を絞る等の形で自社のビジネスに合わせた柔軟な運用ができます。
メリット2:出稿直後から集客効果を実感できる「即効性」
設定が完了すれば、早ければ数時間でWebサイトへの訪問者を増やせる即効性がリスティング広告の強みです。SEO対策の場合、検索上位に表示されるまで数ヶ月から半年以上かかることも珍しくありません。一方、リスティング広告なら出稿後すぐに広告が表示され、早い段階でアクセス数を伸ばしていくことができます。
また、集客のタイミングを逃したくない場面でもスピード感をもって取り組めます。たとえば「来月の新サービス発表に合わせて集客したい」「決算前にラストスパートをかけたい」といった短期間で集中的にアプローチしたいケースにも最適です。
メリット3:費用対効果が明確に把握できる
リスティング広告では、表示回数、クリック数、クリック単価、コンバージョン数、顧客獲得単価などといったユーザーの行動データを数値で把握できます。これにより「いくらの広告費で何件のお問い合わせがあったか」「1件の新規顧客獲得にいくらかかったか」といった費用対効果が明確になります。
さらに、「このキーワードは効率が悪い」「この広告文の反応が良い」といった成果の分析を、感覚ではなくデータに基づいて行えるため、客観的な数字をもとに改善を重ね、継続的に広告効果を高めることが可能です。
メリット4:予算管理がしやすく、少額からスタート可能
リスティング広告では広告がクリックされた時だけに課金されるクリック課金制となっています。広告が表示されるだけでは費用が発生しないため、無駄な広告費を抑えられます。
また、1日の予算上限を設定できるため、想定以上の費用が発生する心配もありません。最初は少額予算から始めて、効果を見ながら段階的に予算を拡大することも可能です。
テレビCMや新聞広告のように数百万円の初期投資が必要な媒体と比べて、中小企業でも取り組みやすいことが特徴です。
メリット5:運用しながら改善できる「柔軟性」
広告文の変更や入札価格の調整、配信の開始・停止など、運用中いつでも内容を変更できることがリスティング広告の強みです。テレビCMや新聞広告のように一度出稿したら内容の変更が難しい媒体と異なり、ユーザーの反応を見ながらリアルタイムに広告文や配信時間等のターゲティング設定を変更できます。
たとえば「お問い合わせはこちら」と「無料相談受付中」という2つの広告文を同時に配信し、どちらの反応が良いかを数日で判断することも可能です。
このように「運用しながら改善できる」ため、初めての方でも安心して取り組めます。
リスティング広告の5つのデメリット
デメリット1:「広告」を避けるユーザーもいる
検索結果に「広告」と表示されるため、意図的に広告をクリックせず、自然検索結果を選ぶユーザーも一定数存在します。また、広告ブロッカーを使用しているユーザーには広告自体が表示されないという点も認識しておく必要があります。
デメリット2:競合が多いとクリック単価が高騰する
リスティング広告はクリックされた時だけ課金される仕組み(クリック課金制)です。1回のクリックに対する支払額は、他の広告主との入札競争によって決まります。
競合が多い業界や人気キーワードでは、入札競争が激しくクリック単価が高騰する可能性があります。たとえば「保険」「不動産」「美容整形」「人材」「BtoB商材」などの業界では、1クリック数千円になることも珍しくありません。
予算規模が限られている中小企業にとっては、人気のキーワードでは競争が厳しく、単価が高騰してしまうため費用対効果が合わないケースもあります。その場合はニッチなキーワードを狙う、地域を絞るなど、競合を避ける戦略が重要です。
デメリット3:運用には専門知識と継続的な改善が必要
リスティング広告は「ただ出稿すれば成果が出る」わけではありません。効果的に運用するには、キーワード選定、広告文作成、入札調整、除外キーワード設定など、専門的な知識と継続的な改善が必要です。
自社で運用する場合、担当者が学習しながら改善作業を続ける時間を確保しなければなりません。一方、運用代行を依頼する場合、手数料(広告費の20%程度)が発生します。
ただし、プロに任せることで初期段階から効率的な運用が可能になり、社内リソースを本業に集中できるというメリットもあります。自社の状況に応じて「内製」か「外注」かを検討することが重要です。
デメリット4:継続的な運用には一定の予算が必要
少額からスタートできるとはいえ、継続的に配信していくためにはある程度の予算確保が必要です。効果的な運用には、データを蓄積しながら改善を重ねていくことが重要で、あまりに少額だと十分なデータが集まらず、改善のサイクルを回すことが難しくなります。
また広告を停止するとWebサイトへのアクセスは大きく減少します。SEO対策など自然検索の順位をあげる施策を行っていない場合には、広告を止めるとWebサイトへのアクセスもほぼゼロになってしまう可能性も考えられます。
デメリット5:クリックされても成果につながるとは限らない
広告がクリックされても必ずしも購入やお問い合わせにつながるわけではありません。
広告とWebサイトの内容がミスマッチしていたり、お問い合わせフォームの質問が多すぎると、せっかく広告に興味を持ったユーザーもWebサイトで離脱してしまい、費用だけがかさんでしまいます。
また、ゴルフ用品の「ドライバー」と職業の「ドライバー」パソコンソフトの「デバイスドライバー」などの、同音異義語で目的が異なる無関係なユーザーによる誤クリックや、競合などの冷やかしのクリックなどにも費用が発生するため、適切な配信ができるように、必要のないキーワードを除外する等のターゲティング精度の向上が大切です。
メリットを最大限活かして成果を伸ばす5つの運用のコツ
段階的に成果を見ながら拡大する
まずは主要キーワードに絞って広告の成果を検証しましょう。クリックの実績データが蓄積されてきたら、成果の低い広告は早めに停止し、成果の高い広告に予算を集中させます。
成果が確認できたキーワードの予算を徐々に拡大していくことで、リスクを最小限に抑えながら着実に成果を積み上げられます。
曜日や時間帯で予算効率を最適化する
運用開始後は、実際のデータを分析して、成果の出やすい曜日や時間帯にばらつきがあれば予算を効果的な曜日や時間帯に配分しましょう。自社ビジネスの成果に合わせて配信ボリュームを調整することで、予算の効率を最適化できます。
コンバージョン計測を正確に設定する
費用対効果を正確に把握するには、コンバージョンの計測が重要となります。
コンバージョンとは、お問い合わせや資料請求、会員登録、サービスの申し込み、商品の購入などの広告の成果となるユーザーのアクションです。さらに、直接的な成果だけでなくページ閲覧や滞在時間、特定ページの閲覧といったマイクロコンバージョンを追跡すると、ユーザー行動の全体像を把握できます。
正確なデータがあってこそ、費用対効果に基づいた適切な投資判断が可能となるので、コンバージョン計測を正しく設定する必要があります。
除外キーワードとリマーケティングで精度を高める
ターゲティング精度をさらに高めるために、除外キーワードの設定は必須です。
例えば有料サービスを提供している場合、「無料」や「フリー」といった検索をしたユーザーは見込み客ではありません。検索語句レポートをチェックして、意図しないキーワードで広告がクリックされていないか定期的に確認しましょう。
また、一度Webサイトを訪問したユーザーに再度アプローチするリマーケティングも効果的です。初回訪問ではお問い合わせしなかったユーザーも、継続的に接触し続けることで、その後のお問い合わせにつなげることが期待できます。
Webサイト(ランディングページ)を最適化して成約率を高める
広告の成果を高めるためには、広告文とWebサイト(ランディングページ)の内容に一貫性を持たせることが重要です。広告で訴求した魅力的なオファーや強みを、ランディングページのファーストビュー(最初に目に入る部分)でも明確に伝えましょう。
また、お問い合わせフォームは極力シンプルにすることも重要です。入力項目が多すぎると途中で離脱するユーザーが増えるため、「名前」「メールアドレス」「電話番号」「お問い合わせ内容」など、必要最小限の項目に絞りましょう。入力の負担を減らすことでお問い合わせ獲得の増加が期待できます。
まとめ
リスティング広告のメリット・デメリットについて解説しました。メリットを最大限に活かすための運用のコツを組み合わせていくことで、予算が限られている中小企業でも高い費用対効果を得ることができます。
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